江戸川区の老人ホーム・介護施設一覧

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江戸川区の老人ホーム・介護施設の特徴

高齢者の地域活動が活発でアクティブな街、江戸川区

かつて「陸の孤島」や「東京の文化の果てるところ」と不名誉な別名がついていた江戸川区は、今では住みたい街として上位にランクインするほど人気が出てきました。その理由は、何と言っても福祉の手厚さです。江戸川区は、1960年頃から高齢者福祉や児童福祉などさまざまな施策を展開し、「福祉の江戸川」と呼ばれるようになりました。

この福祉政策の充実により、江戸川区では14歳以下の年少人口が14.2%と23区平均を大幅に上回り、2010年現在では断トツの1位となっています。高齢化率は22%弱ですが、一方で出生率も高く、平均年齢は23区内で最も若いという状況です。このような土地柄のため、老人ホームも充実しており、特に介護付き有料老人ホームや介護老人保健施設が多くあります。

江戸川区の老人ホームは、医療や看護ケアが必要な高齢者に安心して生活できる環境が整っています。価格帯も世田谷区や港区といった高級住宅街に比べて平均的に低額です。しかし、大病院が少ないという点には注意が必要です。2002年に東京臨海病院が開設されるまで、区内に大きな病院がなく、緊急の場合には浦安市や市川市の総合病院に搬送されていました。

現状でも大病院は少なく、江戸川区内にかかりつけ医を持たない高齢者は、緊急時の対応も含めて病院の位置を考慮することが重要です。福祉が手厚い江戸川区では、介護が必要な高齢者だけでなく、健康な高齢者に対してもさまざまな施策を展開しています。

例えば、介護が必要な高齢者には介護保険サービスのほか、重度要介護者や家族介護者への支援、紙おむつなどの介護用品の支給、緊急通報システム、寝具乾燥サービス、配食サービスなど多種多様な施策があります。また、健康な高齢者には「江戸川区熟年人材センター」での就労機会の提供が行われています。

このセンターでは駐車場や駐輪場の管理業務、公園の掃除、一般事務などの軽作業を提供し、生きがいや交流の場を提供しています。さらに、「熟年介護サポーター事業」というユニークな取り組みも行っています。介護予防教室でのサポート業務や施設入居者の話し相手といった活動に対してポイントが支給されるこの事業は、高齢者が地域活動を通して地域貢献する一方で、自らの介護予防にもつながると評判です。

高齢者が地域活動に参加することで生き生きとした生活を送れる江戸川区は、都内でも最も高齢者が住みやすい街と言えるでしょう。

江戸川区の高齢化率は2017年時点で20.9%に

江戸川区の総人口は2010年まで長期的に増加し続けていましたが、その後2年間は若干の減少傾向を見せました。しかし、その後再び緩やかな増加傾向に転じ、2017年の総人口は69万5,403人に達しました。

総人口は徐々に増えていますが、14歳以下の人口は年々減少傾向にあります。一方で、65歳以上の高齢者人口は増加傾向にあり、2017年時点での高齢者人口は14万5,540人となりました。高齢化率は20.9%に達し、今後も緩やかに上昇していくと見込まれています。

2025年には高齢化率が21%を超えると予測されていますが、特に75歳以上の高齢者の割合が増加する見込みです。2017年時点で、75歳以上の高齢者が占める割合は48.7%でしたが、2025年には60%近くを占めると予測されています。これは、1947~1949年のベビーブームに生まれた団塊の世代が2025年前後に75歳を超えるためです。

75歳以上の高齢者の中には病気や体調の悪化から介護を必要とする方も多く、2025年頃には介護施設への入居を求める高齢者の数が増えると予測されています。このため、介護施設の増設が急務となっています。江戸川区では、高齢者の増加に対応するため、介護施設の整備を進めています。

要支援1・2の高齢者の重度化防止にも力を入れている

江戸川区での介護保険サービス利用者は毎年増え続けています。2009年時点で1万2,398人だった介護保険サービス利用者の数は、2014年には1万6,681人に達しました。特に、居宅サービスの利用者数の伸びが著しく、2009年には1万145人だった利用者が2014年には1.4倍近く増え、1万4,102人にまで増加しました。

施設サービスの利用者も年々増え続けており、2009~2014年までの6年間で300人近く増加しています。介護保険サービス利用者数が増え続ける一方で、サービス未利用者率は20%前後を保っています。このことから、要介護認定者の数も増え続けていることがわかります。

要介護度別に利用状況を見てみると、要支援1の方の半数近くがサービス未利用者であり、介護保険サービス利用者の割合が最も低い状況です。要介護1からサービス利用者の数が8割を超え始め、要介護度が上がるにつれ、施設サービス利用者の割合が増加します。

要介護度5では施設サービス利用者の割合が最も多い36%に達しますが、介護サービス利用者の割合は要介護度4と比較して6.7%減少します。要介護認定者の数は今後も増加すると見込まれており、江戸川区では介護サービスの提供基盤の整備を進めています。

また、要支援1~2の高齢者の重度化を防ぐため、「介護予防・日常生活支援総合事業」を実施し、介護予防に取り組んでいます。これにより、要支援者が自立した生活を送れるよう支援しています。

介護予防のための高齢者の生きがいや自己実現を支援

江戸川区では地域の人々の支え合い・助け合いを活かした高齢者の生活支援体制を推進しています。介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らすことができる「地域包括ケアシステム」を軸に、高齢者の生活の快適さを保証するだけでなく、介護予防のための生きがいや自己実現を促す場の創出も目指しています。

2015年には「介護予防・日常生活支援総合事業」を創設し、要支援者の能力を活かした自立支援を重視しています。要支援者には家事全般や買い物などの日常的な生活行為に関する支援が求められるため、近隣住民の協力を得て地域の繋がりを活かした支援サービスの提供を目指しています。

生きがいづくりの場としては、カルチャー教室やボランティア団体の支援により、地域ミニデイやスポーツ活動を定期的に開催し、高齢者に交流の場を提供しています。これにより、高齢者の健康維持も図っています。

また、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者を対象とした熟年介護サポーター事業の拡充や高齢者によるボランティア活動の支援も行っています。活躍の場を整備することで、高齢者に自信と活力を取り戻してもらうことが狙いです。

一般介護予防事業では、生活機能の低下した方と日常生活を問題なく送れる元気な方を分け隔てなく、健康維持と介護予防を推進しています。介護予防には高齢者自身が強い意識を持つことが重要であり、ウォーキングなどの介護予防活動の普及や意識啓発を行っています。

専門相談員による「なんでも相談」で介護問題を解決

江戸川区では「住まい」「医療」「介護」「介護予防」「生活支援」を一体的に支援する地域包括システムの拠点として「なごみの家」が設置されています。なごみの家では、介護を必要とする方や健康に不安を抱える高齢者だけでなく、子供や若年層も対象に幅広い支援を行っています。

子供たちを対象にした無料学習会や、月に一度地域の子供たちを集めて食事会を行う「子ども食堂」などの機会が設けられています。また、高齢者を対象に脳の活性化を図る体操教室や手芸教室などの催しも行われています。

なごみの家は、地域の人々が心地よく過ごせる場として大きな役割を果たしています。介護予防や生活支援の面でも、高齢者の見守り訪問を積極的に行い、地域関係者を集めた地域支援会議での話し合いによって課題解決に取り組んでいます。

専門の相談員による「なんでも相談」では、介護や健康に関する問題はもちろん、生活や仕事に関するさまざまな悩みを受け付けています。外出の難しい方には訪問相談のサービスも提供されています。なごみの家は2016年に区内3ヵ所に設置され、今後区内15ヵ所を目指して増設が進められています。

江戸川区の「苦情解決委員制度」

江戸川区では福祉サービスに関する苦情や不満を受け付ける窓口として「苦情解決委員制度」が設けられています。苦情解決委員は福祉や法律の専門家で構成され、地域の人々から受けた相談をもとに調査を行い、サービス事業者に是正勧告を行います。

苦情解決委員への相談は、重大な問題が生じた際に限られます。サービス事業者から不当な対応や請求をされたり、施設内で虐待を受けるなどの問題が発生した場合に対応しています。ただし、現在裁判所に訴え中のものや判決が確定しているもの、苦情発生から1年以上経過しているものなどは受付対象外です。

苦情の申し出は、サービスの利用者本人だけでなく、配偶者や三親等以内の親族、区内の民生・児童委員も行うことができます。申し出の流れは、まず電話やFAXで江戸川区社会福祉協議会に連絡を取り、相談日を予約します。次に苦情申出書をHPなどから手に入れ、苦情内容を記入して相談日に持参し、苦情担当職員と面接します。

申し出が受理されると、苦情解決委員が対象となった機関に調査を行い、必要に応じて提言を行います。調査結果は約1ヵ月後に文書で通知されます。これにより、利用者の権利が守られ、適切なサービス提供が確保されるのです。