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稲城市の老人ホーム・介護施設の特徴
高齢化率が低いベッドタウンで、比較的空室が多い老人ホームが目立つ
稲城市は東京都多摩地域の南部に位置する、自然と開発が絶妙に融合した街です。多摩ニュータウンや小田急多摩線沿線の開発によって、ここ数十年で人口が急増。いまだに多くの住民が東京都23区へ通勤しており、通勤率は28.8%にのぼります。このため、稲城市は典型的なベッドタウンとして知られています。
さらに、稲城市はサッカーのJリーグチーム「東京ヴェルディ」のホームタウンでもあり、スポーツと市民の交流が盛んな街です。また、多摩川と多摩丘陵の間に広がる地形と、関東ローム層に属する地質を持ち、縄文時代から人々が暮らし続けてきた歴史的な土地です。古代の遺跡が数多く発見されており、古くからの適住地として認知され、現在でもその豊かな自然を活かした農業が盛んに行われています。稲城市の名産品として有名なブドウやナシも、長い農業の伝統を物語っています。
交通アクセスも非常に良好です。小田急多摩線や京王相模原線が市内を通り、さらに「iバス」や神奈川中央交通バスが運行し、市内各所を結んでいます。こうしたアクセスの良さからも、稲城市は都市機能と自然環境が調和した住みやすい街として、多くの家族に支持されています。
稲城市の大きな特徴は、15～64歳の生産年齢層が多く、比較的高齢者が少ないという点です。2023年の時点で人口は9万3,421人、高齢化率は21.9％となっており、これは全国平均と比較して低めの数値です。稲城市はまだまだ若い都市と言えるでしょう。
特別養護老人ホームは長い待機列、介護付き有料老人ホームは空室が豊富
一方で、高齢化の進展に伴い、稲城市の特別養護老人ホームは大変な待機状況に陥っています。数百人待ちの施設も珍しくなく、これは稲城市だけでなく全国的に共通する課題と言えます。しかし、特に稲城市では、施設の数が少ないことが問題を深刻化させています。特養やグループホームなど、料金が低めの施設は市内に限られた数しかなく、どうしても入居希望者が集中してしまうのです。
このため、緊急で入居が必要な方は、ショートステイの利用や介護付き有料老人ホームへの入居を検討することが推奨されます。介護付き有料老人ホームは、グループホームに比べて料金が高めという理由で空室に余裕があることが多く、即時入居が可能な場合もあります。多くの施設では、豪華な設備や質の高い介護サービスを提供しており、見学に訪れて実際の雰囲気を確認するのがおすすめです。
また、稲城市内のグループホームでは、月額利用料が食費込みで10万円未満というリーズナブルなプランも見つけることができます。ただし、グループホームへの入居には「認知症であること」などの条件があり、一般的な介護施設よりも入居に際しての制約がある点に注意が必要です。しかし、その代わりに、アットホームな環境でゆったりとした生活を送ることができるため、認知症の方にとっては非常におすすめの選択肢となるでしょう。
在宅介護をサポートする取り組みも進展中
稲城市では、老人ホームへの入居が難しい高齢者や、その家族を支えるために在宅介護支援の強化も進めています。その一環として「介護予防住宅改修給付」という制度を設け、自宅に手すりを取り付けたり、和式便所を洋式に改修するための工事費用を助成しています。自宅での介護生活を安全に、そして快適にするための支援が充実している点は、大きな魅力です。
その他にも、介護に関するさまざまな相談を受け付ける窓口が市内に多数設置されています。具体的には、市の「生活福祉課」や「在宅支援課」が、高齢者やその家族の相談に対応し、適切な福祉サービスの提供をサポートしています。地域包括支援センターを利用すれば、専門スタッフからのアドバイスを受けながら、具体的な介護プランを立てることも可能です。どんな小さな不安や疑問でも、遠慮せずに相談することが推奨されています。
稲城市では、これからの高齢化に備え、福祉サービスの充実が求められていますが、すでに提供されているサービスも豊富です。早めに相談し、地域のサポートをフルに活用して、安心して生活を続けていける環境を整えていくことが重要です。
