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練馬区の老人ホーム・介護施設の特徴
老後の安心はあらゆる種類の老人ホームが増床する練馬区で手に入ります
副都心線や大江戸線の開通によって、その立地的価値が注目されている練馬区は、近年マンションの建設ラッシュに湧いています。介護施設に目を向けてみると、有料老人ホームの数が23区内で最も充実していると言っても過言ではありません。特に介護付き有料老人ホームが多く、24時間看護サービスや医療施設との提携による万全の医療ケアが整っている施設や、認知症高齢者のケアに注力している施設など、さまざまな特徴を持った施設から選ぶことができます。
施設の数が多いため、利用料もさまざまで、平均的に見ると港区や世田谷区といった高級住宅街に比べて低額のところが多く、利用しやすい環境が整っています。練馬区の環境面も魅力的です。畑などの農地が至る所に残っており、自然が豊かです。犯罪の件数も23区内ではトップレベルの少なさで、治安の良さも特筆すべき点です。これらの要素を鑑みると、高齢者やその家族にとって安心できる地域であり、東京で生活することを考えると、それは何ものにも代えがたい価値と言えるでしょう。
練馬区の高齢化率は21.3%と低い数値
総人口は2015年度時点で約71.9万人で、東京23区の中では世田谷区に次ぐ2番目に人口が多い練馬区です。65歳以上の高齢者人口は約15.4万人で、全人口に対する割合は21.3%となり、東京都全体と比べて1.5%程低い数値です。練馬区は都心部まで概ね電車で30~45分圏内であるため、ベッドタウン化されており、生産人口が多いことから現状では高齢者率が低い方で推移しています。
しかし、5年前の2012年と比較すると2万人近く高齢者が増えており、本格的に高齢化の波が到来しています。区も2035年には65歳以上の高齢者が4人に1人の割合になると予測しています。特に問題視されるのは、65歳以上の高齢者の中で一人暮らしをしている方や、65歳以上の方のみで構成されている世帯数の多さです。
65歳以上の単身世帯は約4.9万世帯あり、その70%が女性の一人暮らしです。地区別で見ると石神井地区が若干多くなっています。また、65歳以上の方のみで構成されている世帯を含めると7.8万世帯となり、練馬区全世帯の約20%にあたります。65歳以上の高齢者の中で要支援以上の認定を受けている方は2015年時点で約3万人で、そのうち要介護1以上の認定を受けている方が2.3万人と多くなっています。
現状でも高齢者の20%の方が要支援以上の認定を受けており、2020年には22.5%にまで増加すると予測されています。また、要介護認定を受けている方の約70%が何らかの認知症の症状があり、そのうち50%近くの方は見守りなどの介護支援を必要としています。
施設の利用から在宅介護へのシフトが顕著
練馬区の介護サービスで最も多くの保険料が投じられているのが訪問介護と通所介護です。要支援の方は要介護の方に比べて少ないため、介護保険の利用としては要介護の6割程度となっています。介護(居宅型)サービスに関しては、介護保険の認定を受けている民間の有料老人ホームなどの利用に対する費用負担が大きくなっています。
しかし、その有料老人ホームの利用料を除いた純粋な居宅型サービスだけの合計を見ると、施設サービスの約2倍となっており、在宅介護が顕著です。施設サービスは公共の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の利用で、いずれも練馬区が計画していた数値を下回っています。これからも在宅介護へのシフトがうかがえます。
地域密着型サービスで最も多く介護保険料が投入されているのはグループホームです。これは在宅介護の一環として、高齢者が地域で暮らしながら必要な支援を受けられる体制が整備されていることを示しています。
健康長寿若返り事業などの独自の介護予防を展開
練馬区の介護予防は「介護予防・日常生活支援総合事業」として、「介護予防・生活支援サービス事業」と「一般介護予防事業」で構成されており、高齢者の介護予防と自立の支援を行っています。介護予防・生活支援サービスは、いわゆる訪問介護や通所型(デイサービス)などのサービスで、高齢者相談センターが行うケアプランの作成なども含まれます。
練馬区独自の事業としては、シルバー人材センターの会員による軽易な日常生活上の支援があります。同年代の方が行うサービスなので、お互いに気心が知れている点が良いポイントです。また、一人暮らしの高齢者を対象に無線送信器などを貸与し、緊急時にボタン一つで消防署に救援を仰げるサービスや、ボランティアが週1回自宅を訪問したり、安否確認の電話をするサービスも提供しています。
一般介護予防事業は、現状の把握や介護予防運動の啓蒙、高齢者支え合いサポーターというボランティア活動など、草の根運動的な活動が中心です。特に健康長寿若返り事業や食のホットサロンなどが練馬区独自の介護予防事業です。週1回ではありますが、会食や健康体操などのデイサービスに近い内容のサービスも提供されています。
これらのサービスは高齢者相談センターで受け付けており、生活状況や心身の健康状態をチェックし、必要に応じて要介護認定を行います。チェック状況に基づき介護予防や生活支援の計画を作成し、サービスを利用する流れです。
練馬区の地域包括ケアの特徴は「街かどケアカフェ」
練馬区の地域包括ケアシステムの三本の柱は住まい、医療、介護であり、この三つを繋ぐ橋渡し役が包括支援センターです。区内の約25ヵ所の包括支援センターの区域ごとに、地域包括ケアシステムが形成されています。地域包括ケアシステムはネットワーク作りを重視しており、高齢者相談センターに医療と介護の同時相談窓口を設置し、両面の相談に乗れる連携推進員を配備しています。
練馬区独自の特徴は「街かどケアカフェ」の存在です。街かどケアカフェは高齢者などが集まり、お茶を飲みながら介護予防やさまざまな相談ができる拠点です。区が直接運営している場所と提携団体が運営している場所があります。区が運営している場所は現在2ヵ所あり、高齢者相談センターに併設されています。専門のスタッフによる健康相談やアドバイス、介護体操の実施、薬の講座など、総合的な医療や介護の支援施策が行われています。
一方、提携団体が運営する街かどケアカフェでは、認知症の方やその家族が集まる場を設けたり、音楽や絵画の教室、介護予防体操などが行われています。また、出張型の施策として高齢者相談センターが区立の施設などで、介護予防や認知症カフェを実施しており、近くに街かどカフェの施設がなくても利用できる可能性があります。
保健福祉サービス苦情調整委員制度とは
練馬区が行っている「保健福祉サービス苦情調整委員制度」は、介護保険や福祉サービスに対する苦情や不満を受け付ける制度です。利用者からの苦情には公平な立場で対応し、必要に応じて調査を実施します。場合によっては事業所に注意や勧告、改善要求の意見表明を行います。苦情調整委員は弁護士2名と元行政職員1名の計3名で構成されています。
また、専門の相談委員が常駐しており、相談や苦情の申し立てに至らない段階でも相談が可能です。苦情調整委員との取り次ぎ役も兼ねており、面談の時間などの予約も受け付けています。申し立てができる内容は、高齢者の介護施設や障がい者の施設、子どもなどの福祉サービスについてです。具体的な内容は施設の入所に関することや施設での待遇、スタッフに対する苦情などです。
その他、気になることはまず相談委員に相談するのが良いでしょう。ただし、1年以上前の出来事や現在裁判中の案件、既に処理済みの件は相談できません。苦情の申し立てはまず事前に事務局に電話連絡を入れる必要があります。基本的に本人が行う必要がありますが、配偶者や親族、同居人でも可能です。
相談員と話し、申し立てに至ると判断されれば、苦情調整委員との面接日を予約します。面接の際には「苦情申し立て書」が必要ですが、書式はホームページに掲載されていますので、ダウンロードして必要事項を記入し、練馬区役所の事務局まで持参してください。